10.

ZeeZout Festival

ストラント・ブレイブルグ、アムステルダム、オランダ
9月2日 - 9月3日

“海塩”という意味のタイトルを持つZeeZoutは、本質的にはビーチフェスティバルだ。同イベントは今年、ディーメルボス公園から、アムステルダム都市部のビーチBlijburg Aan Zeeに会場を変更した。実際には違うのだが、里帰りのようにも感じる。アムステルダム各地で開催されていたパーティーシリーズから派生して3年目となる同フェスティバルは、今回国内外の様々なゲストをフィーチャーし、過去最高に幅広いラインナップを実現。太陽の似合うアクト（Bicep、Laurine、Tornado Wallace）から、よりダークな面々（Voiski、Helena Hauff & Silent Servant）までが集結し、最高の夏の終わりのパーティーを彩る。

RA Pick: Bicepのハウスには逆らえない。

09.

TodaysArt

デン・ハーグ、オランダ
9月22日 - 9月23日

TodaysArtは、大きなアイディアを掲げた小さなフェスティバルだ。建築家、ウェブデザイナー、科学者、アーティスト、そしてミュージシャン達が、彼らの共通点に迫ることを目的としたプログラムに、対等の立場で参加する。重要なのは、同フェスティバルが一般市民を引き込み、多くのフェスティバルに見られる商業的なノームを超えた部分にリーチしようとしている点だ。実際、オペレーションの舵を取っているのは、元スクウォッターだという。TodaysArtの平等主義的姿勢は、デン・ハーグのシーンのルーツにあるDIY精神と一致する。一方のラインナップ（今年はLegowelt、Ata Kak、Inga Mauer、Aleksi Perälä等が出演）は、テクノDJだろうがアヴァンギャルド・インプロヴァイザーだろうが、クオリティを第一に考えていることからビッグネームのヘッドライナーは避けている。

RA Pick: 素晴らしいニューアルバムを発表したばかりのLaurel Haloに注目。

08.

Nyege Nyege Festival

ナイル・ディスカバリー・ビーチ、ジンジャ、ウガンダ
9月1日 - 9月3日

Nyege Nyegeは、ウガンダのエレクトロニックミュージックにとって非常に重要な存在だ。コミュニティをベースにしたこの団体は、様々なパーティーや、カンパラの町で無料開放している音楽スタジオ、そしてここ12ヶ月でスリリングな音楽の数々をリリースしているレコードレーベルNyege Nyege Tapesなどを展開することによって、東アフリカの国ウガンダにおけるシーンの急成長に一役買っている。Nyege Nyegeは2015年、ナイル川の源流であるヴィクトリア湖のあるジンジャという町で、自身たちのフェスティバルをスタートさせた。今年は多数のアフリカ人アーティスト（カメルーン人シンガーReniss、ガーナ人DJ/プロデューサーGafacci、南アのコムグループCruel Boyz）が、世界各地のDJやライブアクトと共にラインナップ。彼らはウガンダに滞在中、Nyege Nyegeのスタジオでローカルミュージシャン達とのコラボレーションを予定している。

RA Pick: 2016年発表の"Le Sauce"がヒットを記録したRenissが、ラッパーのJoviをフィーチャーしたパフォーマンスを行う。

07.

HORST

ホルスト城、ホルスベーク、ベルギー
9月8日 - 9月10日

ベルギーのHORSTは、フェスティバルのロケーションとしてはヨーロッパで最も魅力的な場所と言える、森や池、牧草地、野原に囲まれたフランドル地方の古城、ホルスト城を舞台としている。2017年のフェスティバルでは、Gilles Peterson、Motor City Drum Ensemble、Young Marco、Tako, Nosedrip、Jayda G、Red Gregといったレコードディガー達が城に集い、あらゆる種類の奇妙で素晴らしい音楽をプレイしてくれるはずだ。更に、Helena HauffやSpecial Request、FunkinEvenとJay DanielによるB2Bセットではもう少しハードなサウンド、Shanti CelesteやKornél Kovácsからは心地よいセレクションが期待できるHORST 2017は、実に幅の広いフェスティバルだ。

RA Pick: Young Marcoが素晴らしい理由の1つは、彼が“あからさま”な曲をここぞというタイミングでかけるのを全く恐れないという点だ。（そして彼は、軽蔑的なオンライン上のコメントにも喜んで対抗する。）

06.

Reworks Festival

Mylos Complex、テッサロニキ、ギリシャ
9月13日 - 9月17日

Reworksは、ギリシャという情勢の不安定な国における揺るぎない存在だ。10年以上に渡りこの国で最も人気のエレクトロニックミュージックイベントとして開催を続ける5日間のレイヴを求め、数千人の若者達がギリシャ第2の都市テッサロニキに押し寄せる。例年通り、今年もビッグネーム（Solomun、Dixon、Ben Klock）とローカルアクト（Ison、Cayetano、Tendts）が、Reworksの本会場となる巨大な複合カルチャー施設Myloや、テッサロニキの街の魅力的なヴェニューに登場。温暖な天候とフレンドリーなクラウド、そしてリラックスした雰囲気のあるReworksが、安定性のビーコンであり続けるのは当然のことなのだろう。

RA Pick: セルビア出身のライジング・テクノスターTijana Tがギリシャデビューを果たす。

05.

Oasis

The Source Music Resort、マラケシュ、モロッコ
9月15日 - 9月17日

「今本当に泣いている。モロッコの歴史で今までこんなことはなかった。」これは、RAによるOasis Festival 2015のイベントレビューについたトップコメントだ。一般的なイベント終了後の感傷とは言えないが、大勢のワールドクラスのアーティストを国民たちに紹介したと断言できるフェスティバルは、他にいくつ存在するだろうか？ヨーロッパ圏と比較しても超強力なラインナップが出演する2017年も、それと同じことが続きそうだ。Richie Hawtin、Marcel Dettmann、Nicolas Jaarといった大物が、よりディープなアクト（Dr. Rubinstein、Willow、Shed）やイビサの人気者（Jackmaster、Maceo Plex）と共演。その他50組程のアーティストたちが、アトラス山脈の美しい景色を臨む、マラケシュ郊外にある音楽にフォーカスしたリゾートThe Sourceに集結する。

RA Pick: 自分たちで言うのも何だが、サボテンに囲まれた円形劇場を舞台とした、Call Super、DJ Stingray、Pantha Du PrinceTheが出演するRAのショウケースは、なかなかスペシャルになりそうだ。

04.

Field Maneuvers

後日発表、イギリス
9月1日 - 9月3日

近年のフェスティバルは、クロアチアのボートからアルプスのイグルーまで、多種多様なロケーションやシチュエーションを網羅するようになった。それでも尚、イギリスの田舎の野原にあるサウンドシステムの山という、クラシックなセットアップに叶うものはない。Field Maneuversは今回、この十分に施行されたフォーミュラをスペシャルなスタイルで実現する。700人規模というこじんまりとしたサイズと、ロンドン郊外にある現時点では未発表のロケーションで、3日間に渡り余分な物無しのレイヴを繰り広げる。「週末中ずっと、主催チームが彼らのドリーム・パーティーにどれほどの情熱を注いでいるかに圧倒される」と、RAのHugh Taylorは昨年のイベントのレビューの中で綴っている。DJ Nature、Midland、Shanti Celeste、そしてSoichi Teradaといったアーティストがラインナップされた今年も、その光景は容易に想像できる。

RA Pick: Jane FitzとJade Seatleが、この週末で最もスペシャルなレコードの数々をプレイしてくれるに違いない。

03.

Outlook

プンタ・クリスト要塞、プーラ、クロアチア
9月6日 - 9月10日

Outlookは、Dimensionsが始まる前から開催されていた。このベースミュージックの祭典は、クロアチアに参入した最初のフェスティバルのうちの1つであり、壮観な背景と青く輝く海、そしてトップクラスのパーティー体験を融合させてきた。ベースミュージックというジャンルに特化したあらゆる要素を兼ね備えたOutlookは、スタート10年経った今も尚絶好調だ。プンタ・クリスト要塞のMungo's Hi-Fi Arena以上に、ダブステップとドラムンベースを思い切り楽しめる場所はあるだろうか？あるいは、ヒップホップやグライムを聴くのに、プーラの築2000年の円形劇場よりも荘厳な場所はあるだろうか？節目の年となる今年は、過去最高と言ってもいいほどゴツいラインナップとなっており、Dizzee Rascal、DJ Shadow、Wiley、Giggs、Digital Mystikz、The Bug、Goldie、そしてGeneral Levyといった面々が登場する。

RA Pick: ボートパーティーのチケットを持たずしてOutlookを完全に体験したとは言えない。今年注目したいのは、JehstやPharoahe Monchといったアンダーグラウンド・ヒップホップアーティストが出演するアフタヌーン・クルーズだ。

02.

Labyrinth

苗場グリーンランド、新潟県、日本
9月16日 - 9月18日

自分たちの魅力を守る為に、意図的に規模を縮小するフェスティバルはこの世にいくつ存在するだろうか？人気が頂点に達したLabyrinthは、その最高の空気感とくつろげる雰囲気を守るべく対策を取り、今年の苗場グリーンランドへのチケットは今まで以上に入手困難となった。ヒプノティックな音楽と、人里離れた自然の景観、超集中しているクラウド、そして完ぺきなサウンドシステムが融合する同フェスティバルには、国内外、東西南北のファンが増える一方。しかし、Labyrinthの人気が衰えない最大の理由は、正に今彼らが守ろうと努力しているコミュニティ意識なのだ。

RA Pick: 現時点でラインナップは一切発表されていないが、Labyrinthと言えば何が期待できるか皆さんご存知だろう。それは、ディープで思慮深く、ヒプノティックなテクノだ。

01.

Sustain Release

モンティセロ、ニューヨーク州、アメリカ合衆国
9月15日 - 9月17日

2014年にSustain-Releaseが初開催された時点で、自分たちが今後どんなことを展開していくのか、彼らは正確に把握していたようだ。彼らにはその時から、ユニークなロケーション（アップステート・ニューヨークのケニーブルック・キャンプ場）、DIYの照明（Nitemind）、そしてオーガナイザーでもあるAurora HalalとItalの2人を筆頭とする、ニューヨークのニュースクールに根差したローカルDJ/プロデューサーからなるラインナップがあった。そこから数年が経ち、この“冒険的な週末”（フェスティバルではない）は回を重ねるごとに良さを増し、その評判はニューヨークの外にも広まってきている。今や毎年恒例となったこのイベントは、ローカルアクト（Turtle Bugg、Octo Octa、Umfang & Volvox）と国外アーティスト（Powder、Wata Igarashi, Josey Rebelle）のバランスが取れた、カッティングエッジなミュージシャン達による音楽を満喫できる控えめでこじんまりとしたDIYパーティーという、レイヴの極致へと成長した。それでもまだ十分じゃないというあなた。このイベントではお風呂も楽しめますよ。

RA Pick: DJ WeyまたはDJ Python名義でも知られるDeejay Xanaは、このシーンのリーダーとして現在急速に頭角を表している。

9月に開催予定のフェスティバル・リストはこちらからチェック。